焙煎とマーケティングの実際 4

「当店の大商圏で小商圏商法」

 当店は意識的に「大商圏」で「小商圏商法」を行っています。
 「小商圏商法」については前にも書きましたが、顧客管理の出来る商売ということです。お客様のお名前、おところ、購入履歴を記録してそれを基本にひとりひとりのお好みを把握してお客様と親しくなります。そしてお客様にも親しみを感じて戴いて、そこからお客様の求めているコーヒー、価格、販売方法を掬い取っていきます。そのお客様も意識していないニーズを具体化して反応を確かめ次の新商品、価格、サービス等を企画します。
その繰り返しを1年2年、、、5年6年と続けるとどんどんお客様と密着してお客様の求めているものが手にとるように分り、打つ手打つ手がクリーンヒットします。
 となると、お客様から「気の利いている店」となり信用、信頼され顧客内シェアなどど云いますが、ようするにコーヒーを他の店では買わなくなります。
 となると、客数が増えるに従い客単価が上昇します。
プラス、紹介が増えるのでチラシ等の経費はゼロに近くなりその分お客様に還元できます。
 すると、もういいですね。好循環が生まれます。お客様の喜ぶ顔とともに利益も増えます。
 コーヒーは「平和な飲み物」が私の根底にありますが、本当に良い商売となります。

 「大商圏」を対象にするのは少し特殊です。
小さな店は小商圏、近所のお客様に喜ばれる、必要とされることが大切です。近所の方に必要とされない店に遠くのお客様に支持されるでしょうか。あくまでも基本は半径2、3キロの小商圏を重視するべきでしょう。
しかし、豆売り店でも都内などの商店街や駅前、あるいは郊外の住宅地にある店は良いですが、当店はまわりに畑がのこる自宅のガレージを直したわずか3坪の店舗とは云えないようなお店です。そして、コーヒーの価格は380円/100グラムからとやや高めです。勿論生豆の品質や焙煎の手の掛け具合配達代を含めて、また割り引きもありますので私としてはずいぶんお値打ちだなぁと考えています。が、乱暴に価格だけで比べると100グラム180円〜300円のコーヒーは400円以上のコーヒーよりも何倍も売りやすく、 顧客層が厚いのが事実です。
 その上、目標が月に500キロ、1トンと将来には販売したいので小商圏では無理なのは明白です。よって、当初からご近所、千葉、四街道市内、それ以遠と商圏を3つに分けてそれぞれの販売方法を考えました。(注)けっしてご近所を無視したわけではありません。
開店前のポスティング、開店後は毎日お昼前にコーヒーをポットに5杯分入れて事務所等を一軒一軒回り、レギュラーコーヒーに関心のある所にはサンプルをお持ちして、まずご近所に知られることからスタートしました。

次回は「商圏の壁」についてです。

 
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