焙煎とマーケティングの実際 15

もうひとつのABC分析

 と云うことで、ABC分析の別角度からの利用方法です。

 C部門はお客様の評価が低いのですから、新商品と入れかえるか店側に愛着があるなら、価格、ネーミング、お奨めの方法等工夫するか、ですね。しかし、B部門に入っていれば人気がでる可能性もありますが、C部門ではエネルギーを使っただけの効果はあまり出なそうです。

 B部門の商品は全体では数や量は出ていなくても、特定のお客様の熱烈な支持があるかどうか、に注意してます。何となく人気が無いのなら、時間の経過とともにC部門に落ちて行きそうです。
 少し個性的な商品で、万人受けはしないもののコレじゃなくてはダメだというお客様をがっちり掴んでいる商品は大切です。大切というより、そんな商品によってこそそのお店の個性や魅力、強さが発揮されているんでしょう。私はB部門の強い商品に力を入れすぎるきらいがありますので、少々反省してます。

 B部門での別な役割の商品は、A部門も人気商品に化ける可能性を持ったものです。とても良いものなんだけれど、A商品の陰に隠れて目立たない、人気がもひとつ出ない、そんな商品です。お客様にその良さが伝わっていないのか、ポイントがずれているのか、値段が妥当すぎてお値打ち感が足らないのか、ネーミング、売りの弱さ、等々考慮して、店としてもっと売りたい気持ちがあるのか、今のままで良いと思っているのか。

 A部門は人気商品ですから、バンバンザイとは云えません。本当はもっと支持されて良い魅力的な商品なのに飛びぬけた売れ方が無い、他にもっと良いものが無いからお客様は仕方なくそのA商品を買うしか無い、、、。
 お店としてはもっとそのA商品を売りたいのか、今のお客様の支持を受けていても、これからお客様になってくれる人たちの支持は受けられるのか?

 なんだかんだ考えていますが、ようは、今のお客様の支持を見て、その奥に潜んでいる、お客様が気がついていない魅力、欲望をプロである店側が提供する為の思考錯誤なんです。そんな商品をだした時にお客様は「前からこんなものが欲しかったんだ」という最高の評価になります。
 「こんなもの」を明確にお客様がイメージしていたはずは無いのですが、目の前に出されると前から欲しかった様に感じることが大きなポイントです。そんなヒントは数字の奥に隠れているので、自分で探し出すしかありません。

 私もそれはとても難しいので四苦八苦してます。しかし、最近はうちのお客様の傾向がはっきりしてますし、お客様とのコミニケーションを大切にしてきたので大分楽になってきました。(裏を返せば、うちと合わない方々がいっぱいいるということですが、八方美人は出来ないし、こんなちっぽけな店は限界が見えてますので、欲をかかなければ気が楽です)

 
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さかもとこーひー