週刊こーひーコラム「プロのつぶやき」

No.706【モカ・イルガチェフェ(ハマ)】

やっと朝晩涼しくなったと思ったら…ここ数日最後の残暑でしょうか?また猛暑が続いています。しかし、毎朝の焙煎は日々秋バージョンの火力になっていっています。季節の変わり目は火力調整の油断ができません。

油断と言えば…1発のラッキーパンチで勝敗が逆転してしまう厳しいボクシングで…ロンドン五輪ボクシングミドル級金メダリストの村田諒太選手が圧倒的なプロデビュー戦で勝利した夜「情熱大陸」でも村田選手を特集していました。

金メダルを取った当初は「一億円積まれてもプロにはならない」と言い続けてきた男が「ある想い」からプロ転向を決め世界チャンピオンを目指すこととなった道のりを追い続けたというテーマでした。その中で世界的に有名な元キューバ代表コーチで世界チャンピョンを何人も育てているイスマエル・サラストレーナーの言葉が印象的でした。

バランスと基礎の大切さを強調していて…まずガード、ジャブを出す時のガードの大切さからはじまり…小さなステップでスタミナロス防ぐといった長いラウンドを戦うプロの基礎…強いパンチのためのバランス…どんな建物でも基礎がしっかりとしていないといけない、だから今は基礎を徹底的にやっている…といった内容でした。

とりわけ…動きながらパンチを打つのはアマで…パンチを出して動く、動いたあとに止まってパンチ、そして動くと強調していました。ただ、一流選手はその流れがもの凄く早いですから、素人がみると動きながらパンチを打っているように見えるわけです。しかし、もの凄いスピードで動き、止まり、パンチを打ち、すぐに動くわけです。

すると、一瞬で有利なポジションに動き、一瞬止まってパンチを打つのでパワーが伝わり、すぐに動きますから相手の反撃を避けられるわけですね。アマは一緒にしてしまう。分けることが大切。と仰ってました。

これは、我々のカッピングでも同様で…慣れていないと、印象的だったキャラだけとか、美味しいとか野暮ったいとか全体の印象で終わってしまいます。勿論、お客様はそれで良いのですが…プロはそれでは向上していけません。

まず、素材のポテンシャルを見極める能力が必要で…次に、そのポテンシャルを生かす焙煎と常連さんのお好みに合うようなバランスをイメージする能力も必要です。その結果お客様の「美味しい!!」というひと言になるわけです。

なので、カッピングの基礎で習うように…味わいのきれいさや酸の質やキャラクターにボリューム、甘さや口当たりの質感、香り、余韻、バランス等々分けることが大切なんです。

で、そのトレーニングを重ねていくと、言葉にした時は全体の印象を言っているようでいて…細かく説明していくと、それぞれの特徴を捉えているんです。そこに焙煎やブレンドを確認するカッピングもありますから…焙煎のどこがどうだからその味になっているのか?とかもきれいに見えてくるわけです。分ける事と全体を見ることと両方を同時にできるようになるとかなりのレベルですね。

後輩にアドバイスするのは…基礎基礎基礎の積み重ねです。応用なんて考えなくて良いと、基礎のレベルアップが進むと、他人からは応用に見えても本人には基礎の積み重ねでしかないんです。ただ、その基礎のレベルとスピードが違うんですね。ボクシングのトレーニングの番組を見ながら…カッピングと共通することを感じてました。

そんなこんなで…新しいロットに替わり、さかもとこーひーはじまって以来最高の「モカ・イルガチェフェ(ハマ)」のご紹介です。

【モカ・イルガチェフェ(ハマ)】

2011年の12月に発売して、2012年一年間お届けしてきた…常連のOさんが「パナマ・エスメラルダ・ゲイシャに通じますね。」…さらに、スタッフのKさんがカップに注いだだけで「なんですか!この香りは…」と驚き…ワイン会に持ち込んだら…シェフをはじめ、みなさんから驚きの声声声があがった「モカ・イルガチェフェ」を凌ぐ「モカ・イルガチェフェ(ハマ)」です。

まず、鮮烈なフレーバーに包まれます…さらに、エレガントで滑らかな口当たり…そして、長く印象的な余韻が際立っています。きれいで鮮やかなレモンキャラクターがひと口目から余韻の30分までベースになっています。

ゆっくりと味わっていくと…オレンジからフローラル…クランベリーやチェリー…冷めてくると、ほのかなスパイシー感が奥行きのある味わい深さになり…最期にはブルゴーニュの赤ワインのようなときめき感まで感じました。

味わいはシルキーマウスフィールと言われる繊細でさらに滑らかで気品あふれています、エレガントと言われますね。バランスよくきれいな酸が後味のキレを良くして、さらに長い長い余韻を支えています。

この「モカ・イルガチェフェ(ハマ)」はロースティングポイントがピンポイントです。1℃深くても、浅くても、際立つ魅力が陰ってしまうでしょう。実は、最初のテストローストの時、煎り止め間近あまりにも素晴らしい香りが立ち上がってくるのにご機嫌になり、1℃深くしてしまいました。そこで、直ぐにカッピングしたんですが…わずかながらイメージとズレていて不機嫌不機嫌イラツイてしまいました。で、直ぐにもう1回焙煎し直して、やっとご機嫌になったのです。

まぁ、スタッフからは充分美味しいと言われますし…この仕上がった「モカ・イルガチェフェ(ハマ)」を飲んでいなければ、1℃深くても感動的だと思います。しかし、それでは自信を持ってお客様にお勧めできないですし、自分が納得しないですからね…。

さかもとこーひー20年にしてこのようなモカを手にする事ができて、焙煎し、お客様にお届けできることに驚いています。さかもとこーひーはじまって以来最高の「モカ・イルガチェフェ(ハマ)」になりました。

今から、この「モカ・イルガチェフェ(ハマ)」と「パナマ・エスメラルダ・ゲイシャ」を並べてカッピングしたくなっています。お楽しみください。

以下にインポーターからの資料をまとめました、ご参考までに…。

エチオピア コチャレ ハマ
品 種: エチオピア系統品種
栽培地: イルガチェフ地域 コチャレ地区 ハマ エリア
標 高: 1,600m以上、2,000m付近の小規模農家も存在。
収穫時期: 11月下旬より1月頃まで
農 園: イルガチェフの小規模農家   グレード:G1

「アラビカ種発祥の地であるエチオピアの南西部ジマ地方には、現在でも多種の品種が自生しているといわれ、貴重な遺伝資源の宝庫となっています。有名なゲイシャ種もこのジマ地方が由来といわれています。」

「エチオピアのコーヒーの中で、風味上最も特徴的なものは、イルガチェフそしてシダモのコーヒーです。フローラル、紅茶、レモン、エレガント、ジンジャー、シナモン等多様な風味を有しております。ゲイシャが話題になったのも、エチオピア系コーヒーの風味が
スペシャルティコーヒー産業における価値のあるものであるからです。」

「イルガチェフとは、現地の言葉で「湿地とその草」を意味します。その言葉の通り、この地域は水源に恵まれ、良質の水洗式コーヒーの生産に適した場所です。更には1,600m以上、高いところでは、2,200mにもなる栽培地の標高、なだらかな景観、昼夜の寒暖差、生産性は低いですが、中米のティピカ種同様に若葉がブロンズで、横に枝が大きく伸びる古いタイプの品種、有機質肥料(コーヒー由来の廃棄物、家畜の糞尿など)、肥沃な土壌など、コーヒー栽培に適した土地ということができます。」

「小規模農家によって収穫された赤い実は、水洗工場(ウオッシング・ステーション)搬入前に選別され、熟度の良いものがタンクに投入されます。赤い実はマッキノン製のディスク式パルパーで皮むきされ、水流によってパーチメントはP1、P2、P3に比重で分類されます。(P1が重く、最上級。)パーチメントは醗酵槽に導かれ、そこで約36時間の醗酵処理、水路での水洗、約半日のソーキング(ヌメリの除去が充分であればパスすることも)、そしてパーチメントの水を切り、アフリカンベッドで天日乾燥します。天日乾燥中に不良なパーチメントは手選別され、更に精製されます。  パーチメントを休ませたのち、首都アディスアベバの脱殻工場(ドライミル)にパーチメントが搬入され、不純物除去、脱殻、比重選別、ハンドピックを経て精製され、生豆は麻袋に充填され、輸出されます。」

「現在エチオピアでは、国営などの農園(比較的大きい)、農協など一部の例外を除いては、ECXと呼ばれる取引所にコーヒーを納めなければなりません。イルガチェフの場合、ECXに搬入されたロットは、地区やグレードにより分類されますが、基本的にはロットが混ざることになります。これが品質安定しない原因です。ハマはコチャレ地区に位置し、周辺には小規模農家が存在する緑の山々がそびえたっています。」

「赤い実を搬入する生産者に割増しの賃金を払い、より品質の高いコーヒーの生産に取り組んで頂いております。またパーチメント以降の精製過程にも注意を払い、生豆選別については通常の二倍の行い、欠点豆の少ない仕上がりとなっております。」

2100円/250gパック(税込み)

「この味を知ることができて幸せです。」…お客様にそう言ってもらえるようなこーひーをお届けしたいと思っています。

・・・
*グループでのご注文の際は、人数をお知らせください。
 メニュー小分け袋等、人数分同封いたします。

・・・

【選べるSセット】

1050円/250g〜の豆3袋以上で、セット価格、1050円/250gになります。 (同じ豆でもOK、各250g)
オークションこーひー等1890円/250g〜の豆は、「1050円+525円」になります、お楽しみください。

グループでのご注文の際は、人数をお知らせください。メニュー等、人数分同封いたします。ギフトにもご利用しやすいと思います。手さげ袋ギフトラッピング(小1〜2個用、大3〜4個用、無料)もご利用ください。分かりにくい点ご質問等ありましたら、お気軽にお尋ねください。

《ブラジルCOEカフェザル》
《ニカラグアCOEロスヒグエロス》
《深煎りコスタリカ》
《コロンビア・エルディビソ》
《アニバーサリー2013》
《ドリップバッグ・カフェデイジー》
《ドリップバッグ・カフェフィガロ》

他1050円/250g〜の豆から選べます。

 

【トレジャーズセット】250g×3袋

さかもとこーひーのお宝コーヒーセットです。お楽しみください。

《ブラジルCOEカフェザル》
《ニカラグアCOEロスヒグエロス》
《ボリビアNSアルベルト》

4200円(税込み)

 

【《旬・瞬》Cセット】250g×3袋

毎月さかもとこーひーの一番人気のセットです。お楽しみください。

《コロンビア・エルディビソ》
《アニバーサリー2013》
《木陰》

3150円(税込み)

 

【深煎り定番Bセット】250g×3袋

深煎り定番こーひーと、《旬・瞬》な深煎りこーひーの組み合わせで、毎月内容を変えていきます。

《深煎りコスタリカ》
《アニバーサリー2013》
《深煎りコロンビア》

3150円(税込み)

 

【ジョイセット】100g×5袋

お陰さまでご好評頂いてすっかり定着したジョイセットです。さかもとこーひーの何がお好みか判らない方やギフトで先方のお好みが判らない等、迷った時にこの「ジョイセット」を選ばれることも多いようです。

「うちは量はそれほど飲めないんだけども、色々なこーひーを楽しみたいのね。それで、いつも何を頼もうか悩んでしまうの!」…そんな声を今迄たくさん頂いてきました。[いい感じの苦味系]と[軽やか系]に分けて、それぞれのお好みに合うよう新しいこーひーを毎月出して、セットにしてきましたが…でも、全部頼もうとすると量が多くなってしまう…そんなみなさんの声にお応えします。

その時の《旬・瞬》なお勧めこーひー100gを5種類、セットにしました。(手さげギフト袋(小1-2個用、大3-4個用、無料))

《ブラジルCOEカフェザル》
《ニカラグアCOEロスヒグエロス》
《深煎りコスタリカ》
《ボリビアNSアルベルト》
《コロンビア・エルディビソ》

3150円(税込み)


 

・・・はじめてのさかもとこーひー(通販専用)・・・

【はじめてのAセット】100g×5袋

さかもとこーひーはじめての方向けのセットです。その月の最高峰、お勧めこーひーをはじめての方限定のお試しセットにしています、お楽しみください。

《ブラジルCOEカフェザル》
《ニカラグアCOEロスヒグエロス》
《深煎りコスタリカ》
《ボリビアNSアルベルト》
《コロンビア・エルディビソ》

2625円(税込み、送料・無料、さかもとこーひー初めての方限定、ギフトはご遠慮ください。)


・・・

では、また・・・。

・・・
*要注意!…さかもとこーひーのコツは…
[挽きは細かく]
[粉の量は少なく]…です!
・・・
手さげ袋ギフトラッピング
(大2〜4個用、小1個用、無料)がご好評です。
・・・

【毎月お届けコース】

お届けの量やご予算、お好み等お知らせください。勿論セットでも大丈夫です。セットにプラスしても大丈夫です。価格、送料等は通常のお届けと同じです。(最初はメールでご相談してください)
・・・
いつでも♪《3500円以上(コーヒー)で送料無料!》
・・・
【代金引換払い】ご希望の方はお知らせください。
4200円以上、代引き手数料無料
4200円未満、代引き手数料210円
・・・
クール便(冷蔵、210円)ご希望の方は、連絡欄でお申し付けください。

 

【何を買ったら良いのか?お勧めは?その他ご質問等お気軽にメールしてください、お待ちしてます。】

 

【お願い】
冷凍保存した豆や粉を取り出したら、何よりも直ぐに!!袋を元の冷凍庫に戻してください。
冷凍、解凍の繰り返しは劣化を早めます。ジッパー付き袋をその為に使っています。
(豆は2週間以内でしたら、常温保存をお勧めします。粉は必ず冷凍保存をお願いします。)

《コーヒーはフルーツだ!》

2013年9月1日 坂本・丁寧な暮らし・孝文