週間コーヒーコラム73

優勝は誰だ!珈琲屋MLブルボン選手権 結果 発表!

 では、1週間お待たせしました。
「第1回珈琲屋MLブルボン選手権 イン 八丁堀」の結果発表です。

 ドキドキしますね!

 何といっても、みんな立派に自営している腕自慢の面々が、ブラインドの評価を受けるわけですから、純粋に珈琲の質の向上を目指していなければリスクを背負ってエントリーできません。(公のコンテストでは無いので、商売上のリスクはありませんが、プライドが傷つくおそれはあります)

 それぞれ、お店には熱心なファンのお客様がいて、普段は「こんな美味しい珈琲は他では飲めない」と喜ばれながらの商いをしているんですから、、、。

 でも、実際にはそういう雰囲気はありません。単純にゲームを楽しみながら刺激を求めている感じです。(自信もあるでしょうし、、、。)

 こういう話しをしてると長くなってしまいますね。では、僕のテイスティングノートから、印象的なことを報告します。

 まず、11あった中煎りから。

  • 1番は「鹿児島ヴォアラ珈琲」の井ノ上さん、香り味ともに欠けた点が無く、とてもバランスの良い珈琲です。 香り味わいの甘さ、ソフトさが抜きん出てます。 この辺はプロバットのキャラクターか? 熱風か? 水洗いしているか? 僕には結論がだせませんが、ドリップでもコーヒーメーカーでも安定して円やかな味になるヴォアラの良さがここでも発揮されてます。
  • 2番は「尾道バグ」の郷さん、こちらはやや軽い印象(悪い意味ではありません)でソフトさと切れの良さが印象的でした。 フラグランス(挽いた粉の香り)に甘さがポンとでてました。
  • 次は「札幌いわい珈琲」の岩井さんと「千葉さかもとこーひー」の私です。 岩井さんの珈琲はボディの強さ、ココアとナッツの香りが印象的です。 自分の珈琲は甘い香り、ボディの強さ、と書いてます。

深煎りは4つのエントリーです。

  • 1番は「札幌いわい珈琲」の岩井さんです。 香り味ともに強く印象的でした、僕の好みの珈琲です。 27歳にしてこのクオリティ、恐るべし!
  • 2番は同じ札幌組の「横井珈琲」の横井さん、そして「さかもとこーひー」。 横井さんの深煎りながら滑らかな味わいでコクボディもしっかりしてました。 香りはやさしく、その辺が横井さんの珈琲の良さです。 私の深煎りはチョコレートフレーバーと書いてます。

 僕が学んだこと、まずヴォアラさんの珈琲は定期的に良く飲んでますが、自分に無いキャラクターに(無意識的に)憧れを感じているのがそのままでてると思います。 岩井さんの珈琲は逆に自分と繋がるキャラクターで、僕の好みが反応したようです。 自分の珈琲は当然のことながら自分の好みなので高い点を付けてますが、必ずしもトップにはならないですね。

 もうひとつ、長野井上製作所さん、中煎り深煎りともに高得点で、特に香りが素晴らしい! 井上さんはこの生豆を初めて焙煎しました。 我々のように毎日焙煎している慣れた豆では無くて、いきなりの焙煎できっちりと焙いたのには脱帽です。 焙煎技術も高いのでしょうが、それよりも焙煎を全体的に把握しそれを焙煎機の設計に実現しているのでしょう。 個人的には香りの良さ高さに僕と共通 する方向性を感じたので、今井上さんが製作中の10キロ釜がとても楽しみになってきました。

 そんな収穫のとても多かった珈琲屋ML選手権でした。 次回はどこで、なにをテーマに開催するか? とても楽しみです。

 昨日も八丁堀めいぷるさんに顔を出したら、関口さんが僅か2週間で抜群の焙煎をしてました。 ブルボン(中、深)エチオピアモカデルカゴと頂きましたが、もう驚くばかりの味わい香りの良さでした。(まいった!まいった!)

 なによりもきちんとした素材を使って(今までのプレミアムレベルではダメなのは我々珈琲屋MLのメンバーでは常識です)それをきちんと焙煎する。 それだけでベテランも初心者も関係無くすばらしい珈琲ができます。 いかに、これまでの焙煎技術が素材の悪さをごまかすためのものだったか! 日本には低レベルの素材しか無かったか!(品種、完熟度、、、、スペシャリティコーヒーが無かった) そして、プレミアムと云っていかに高かったか! そんなことを強く感じてます。

 4月のSCAAマイアミhttp://www.scaa.org/ には遂に珈琲屋MLメンバー8人が行けそうです。 楽しみ!楽しみ! 帰り道サンフランシスコの「ピーツ」にも寄れそうです。 「ピーツ」http://www.peets.com/ は今をときめくスターバックスの源流とも云える珈琲屋さんで、スターバックス創立者の3人がコーヒーの魅力を知り、触発されたお店です。 そしてそのオーナーだったアルフレッド・ピート氏から焙煎技術の手ほどきを受けていますし、今はスターバックスを離れた創立者のひとりでSCAAの要職にもついていたジェリー・ボールドウィン氏がオーナーなんです。

 あーっ、だいぶ話しが外れてしまいました。

 最後に発表です。

  • 1位 深煎りさかもとこーひー
  • 2位 中煎りさかもとこーひー
  • 3位 中煎りヴォアラ珈琲

でした。
当店のインパクトの強さがこういう比較では有利だったようです。 バランス良く大人しい美味しさはちょっと不利でしたね。

では、第2回をお楽しみに、、、、。

2001年2月18日

 
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さかもとこーひー